ANA SFC(スーパーフライヤーズカード)を作った話

キャッシュレス

2019年はどこに行くにも、プライベートでも仕事でも、飛行機を利用できるなら無理矢理にでも飛行機を使って移動した結果、年間で50回近く飛ぶことができた。ちょうど関西に仕事場を借りるタイミングだったので、物件の下見に行ったり内見したり、行ったり来たりが多かったのもある。

初回の搭乗からANAに航空会社を絞った結果、6月には国内線だけでプレミアムポイント(PP)※が50,000を超えてプラチナメンバーまで進んだので、その時点でANAのカードをSUPER FLYERS CARD(スーパーフライヤーズカード)に切り替えた。

※プレミアムポイントというのは、飛行機に乗るごとにマイルとは別に蓄積されていくポイント。1月1日から12月31日まで、1年間でどれだけ貯まったかによって、特典や上級会員としてのメンバー区分が変わる。

スーパーフライヤーズカード(SFC)とは

ANAのスーパーフライヤーズカードは、プレミアムポイントが50,000を超えてプラチナメンバー(または100,000ポイントを超えたダイヤモンドメンバー)の状態で、ANAの一定のクレジットカードから発行・切り替えを申請することで取得できる。

そもそも、ANAはマイレージクラブに加入して30,000PPに至るとブロンズメンバー、50,000PPに至るとプラチナメンバー、100,000PPまで至るとダイヤモンドメンバーとなり、ランクに応じて様々な特典やサービスを利用できるようになる。のだけれど、これらのメンバー特典には原則、1年間という期間制限がある。

たとえば、自分がもしプラチナメンバーであることを毎年維持したければ、2019年だけでなく2020年、2021年と50,000PP以上となるようANAで実際に飛ばなければならない(というよりも、それだけの頻度で飛行機を利用する人を優遇する仕組みなのだから当たり前だ)。

この点、50,000PPを超えてプラチナメンバーになった時点でスーパーフライヤーズカードを発行すると、年会費はかかるもののカードを維持している限りプラチナメンバーとほぼ同等のサービスや特典を受けることができる。

ちなみにANAと同様の仕組みはJALにもあって、こちらの名称はJAL GLOBAL CLUBカードという。

スーパーフライヤーズカードのメリット(主に国内線利用時)

スーパーフライヤーズカードのメリットはANAのプラチナメンバーのメリットとかなり重複するが、特典内容は多岐にわたる。

スターアライアンスメンバーのゴールド会員資格を得られる

特に国際線の利用頻度が高い場合、重宝するのがこのメリット。ANAが加盟するスターアライアンスメンバーの他航空会社(数十社)の上級会員としても扱われることで、国から国へ移動する場合の空港での手間や疲労が減る、はず。

自分は去年国際線に乗る機会がなかったので、このメリットは特に活用していない。以下、ほぼ国内線オンリーで利用する自分が便利だと感じるスーパーフライヤーズカードのメリットを順に挙げる。

手荷物受け取りの優先

預けた手荷物が優先的に早い順番で出てくる。この特典、小さいようでいて頻繁に空路を使う場合にはかなり便利。

自分の荷物がいつ出てくるのか、搭乗客数の多い大きな旅客機であるほど待たされる時間は長くなるが、スーパーフライヤーズ会員なら他のプラチナメンバー同様、優先的に早い順番で手荷物が受け取れる。

手荷物を待っている時間だけだと、違いは5分から10分程度のことも多いのだけれど、この5分、10分で1つ早いバスや電車に乗れることも多く、そうなると30分~40分近い時間が変わってくることもよくある。

自分は羽田~伊丹間の空路を使う頻度が一番高いが、飛んでいる時間は1時間程度なので、手荷物の受け取りからバスへ乗るまでの時間が長引くと全体の行程が結構伸びる。心理的にも、手荷物受け取りがスムーズなのは移動が非常に気楽。

1回数十分違うと、1年の合計ではかなりの時間が変わってくるので、このメリットは非常に大きいと思うよ。

優先チェックインカウンターと専用保安検査場

手荷物受け取りの優先とは逆に、出発する空港では優先チェックインカウンターと専用保安検査場が使えることで、列に並ぶ時間を短縮できる。

自分の場合、できるだけ混雑していないであろう日時を狙って航空券を取るので、通常のチェックインカウンターや保安検査場が混雑していることはそれほど無いんだけど、何かあったときの混雑具合はかなり違うので、やはり優先チェックインカウンターが使えるのは便利。

あと、たとえば羽田の場合などは手荷物を預ける場所と保安検査場が一続きになっているので、一箇所ですべて完了できる手軽さも大きい。

チケットを取れる座席の範囲が広がる

これも大きなメリットの一つ。飛行機のチケットって、その航空会社の上級会員じゃないと取れないように制限されている座席のエリアが結構ある。

特に飛行機の前のほうは、一般客としてネットなどからチケットを取って座席を指定しようとすると、大抵の場合は空いてない。

これがプラチナ以上になると、ダイヤモンドメンバーほどではないにしてもだいたいの座席が開放されるので、前側の座席が格段に取りやすくなる(スーパーフライヤーズ会員だとプラチナ会員ほどは開放されないけど、それでも一般よりは指定できる範囲が広がる)。

ANAプラチナメンバーとスーパーフライヤーズ会員で指定できる座席はどう違うか
ANAのスーパーフライヤーズ会員には様々な特典がある。特典内容の多くはANAプレミアムメンバーの「プラチナ」と共通しているので、スーパーフライヤーズ会員であればプラチナメンバーのサービスをほぼ利用できると考えていい。 ただし、...

飛行機の前方席は乗るときの移動が少なくて楽だし、ジェットエンジンの音も後部座席のように大きくなくて静か、そして揺れも後部座席ほど大きくなりにくく、なにより降りるときの時間が短くて済む。

手荷物を預けているときは急いで降りても結局は受け取りのために待たされることになるけど、手荷物を何も預けていないときだと前方席はかなり早く移動を開始できる。結果、これも1本2本早い電車やバスを利用できるようになり、移動時間を大きく短縮できることも多い。

飛行機への優先搭乗ができる

スーパーフライヤーズ会員だと、ANAの場合グループ2の乗客としてグループ3や4よりも先に機内へ案内される。

これね、いくら飛行機に早く乗っても、出発する時間は同じだから急いで乗るよりラウンジ等でそこそこまで粘ってゆっくり搭乗するほうが楽なこともあるので、優先搭乗というのは絶対便利というメリットではない。

ただ、自分の場合は必ず飛行機の窓側座席を取るので、3人掛けの座席とかで後から乗ると、既に2人座っていてわざわざどいてもらわないと座れない。

その点スーパーフライヤーズ会員としてグループ2で搭乗できれば、大抵の場合はまだ座席に人が居ないので(かなり前方の座席を取ったときには、既にグループ1のダイヤモンド会員の乗客が座っていることもあるけど)、気兼ねなく窓側へと移動して着席できる。結構便利。

ANAラウンジが利用可能

国際線を利用するなら、1番目か2番目に入ってくるかもしれないメリットが、ANAラウンジが利用できること。ゴールドのクレジットカード等で入れるカードラウンジのほうじゃなくて、ANA上級会員用の専用ラウンジのほう。

国内線を利用する場合、いかに空港滞在時間を短くするかというのを見越してスケジュールを組むので、そこまで長時間利用する機会はない。

けど新幹線と違って空港、飛行機、空港という細切れの時間になる空路での移動は、短時間で集中して作業する環境があると便利なことは確か。

カードラウンジは混雑していることも多いけど、ANAラウンジならどの時間帯でもゆったりしていることがほとんど。急いで席を確保する必要もない。

家族会員もほぼ同様の特典を利用可能

上記のようなスーパーフライヤーズ会員の特典は、家族カードを発行することでその家族も同様に利用することができる。太っ腹。

ここで挙げた特典以外にも、SFCには様々なメリットが用意されている。詳細は既に各所ウェブサイト・ブログで紹介されているので、そちらを参照されたし。

ANA VISAゴールドは黒い帯のデザインだけが残念

自分がスーパーフライヤーズカードに切り替えたのは、三井住友カードが発行するANA VISA ワイドゴールド。維持費も比較的安価に済むし、カードブランドがVISAだと大抵の場所で使えるので死角が少ない。あえて挙げるなら、航空券購入時のポイント還元率では、アメックスに負ける点くらいかな。

ということで、カードのサービスとしては不満がないものの、デザイン面ではちょっと残念なところも。このANA VISA ワイドゴールドから切り替えてのスーパーフライヤーズカード(SFC)は、SUPER FLYERSの部分が黒い帯になっている。ここがね、個人的にはしっくり来ないというか、後から貼り付けたようで格好悪く見えてしまうのだけが残念。これがVISAじゃなくてJCBなら、ゴールドのSFCでも黒帯が無くてだいぶすっきりしているんだけどね。

近年はクレジットカード自体を提示して決済するシーンも減っているし、デザインを気にする時代でもないのは分かってはいるけどね。

ともあれ、飛行機にそれなりの回数乗らないと発行できないクレジットカードなので、スーパーフライヤーズカードはそれだけで利用する面白さはある。2020年の今年も飛行機の利用回数が(2019年ほどではないにしても)そこそこありそうなので、引き続き移動の際には活用していく予定。アデュー。

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